更年期障害と鉄分の関係について
更年期障害と鉄分との間には、どんな関係があるのでしょうか?
一般的に、鉄分の不足で貧血になることは、ご存知の方が多いと思います。
更年期障害では「隠れ貧血」になっていることがあり、鉄分の不足で症状が強くなる可能性があります。
今回は、そんな更年期障害と鉄分との関係についてお伝えします。
更年期障害は鉄分不足でどんなことが起こるのか?
更年期障害では、鉄分不足によってどんなことが起きるのでしょうか?
女性は月経により、貧血になりがちです。
更年期障害の症状で月経が不順になっていても、その傾向は変わりません。
更年期障害では、自律神経のバランスが崩れ、「交感神経」が優位になりがちです。
交感神経の緊張が長引くと、胃腸の動きを低下させて食事の栄養分を消化・吸収しにくくなります。
そのため、食事からの鉄分も吸収しにくく、不足しがちになります。
加齢による「造血機能」の低下もあり、ますます貧血になりやすいといえます。
貧血の症状
- 頭痛
- めまい
- 動悸
- 疲れやすい
- イライラする
ごらんの通り、貧血の症状と更年期障害の症状は似ています。
更年期障害と思っていたら鉄分不足で貧血も進行していた、ということもあります。
更年期障害と貧血の両方で、症状が強く日常生活に支障が出る場合もあります。
更年期障害の鉄分の摂り方と注意点
更年期障害の時期には、鉄分が不足しないように食事に注意しましょう。
鉄分は一度にたくさん摂っても、排泄されてしまうという特徴があります。
そのため、こまめに毎日鉄分を含む食品を食べると吸収しやすいでしょう。
月経が無い30〜69歳の女性の場合、1日に必要な鉄分の量は6.5mgです。
鉄分を多く含む食品 (100g中)
- 豚レバー・・・13g
- 鳥レバー・・・・9g
- 卵黄・・・・・・・6g(卵1個の卵黄はLサイズで約20g)
この他にも赤身の肉や魚、ヒジキや緑黄色野菜などに鉄分が含まれます。
動物性の食品に含まれる鉄分は「ヘム鉄」といい、植物性の食品に含まれる「非ヘム鉄」より吸収がよいとされます。
更年期障害の症状の改善に鉄分を効率よく吸収するためには、ビタミンCと一緒に摂るとよいでしょう。
レバーや赤身肉と一緒に、緑黄色野菜や果物を食べることをおすすめします。
お茶やコーヒーに含まれる植物性色素のタンニンは、鉄分の吸収を妨げる作用があります。
更年期障害で鉄分を補給したい場合には、お茶やコーヒーを食事とは別の時間に飲むほうがよいでしょう。
更年期障害では、胃腸の動きが悪く鉄分の吸収が悪くなりがちです。
更年期障害の症状が貧血の症状と似ているため、発見が遅れたり症状を悪化させたりする可能性があります。
サプリメントで鉄分を補給する場合は、1日の服用量を守って利用しましょう。