更年期障害と貧血は、症状が似ている?
更年期障害と貧血には、なにか関係性はあるのでしょうか?
更年期障害の症状がひどいと思っていたら、隠れ貧血だったという場合があります。
更年期障害と貧血の症状が似ていて、見分けがつきにくいことも、症状を悪化させる要因です。
今回は、そんな更年期障害と貧血との関係性についてお伝えします。
更年期障害で貧血になる原因は?
更年期障害による貧血は、どんなことが原因で起きるのでしょうか?
更年期障害は卵巣機能が低下して、女性ホルモンが減少するために起こります。
女性ホルモンが減少することで、月経(生理)の周期が乱れたり出血量に変動が起こります。
更年期障害になったからといっても、失う血液の量が減るとは限りません。
また、酸素を運ぶ赤血球は大きな骨の中心部(骨髄:こつずい)で作られますが、造血機能は加齢とともに低下していきます。
造血機能が低下すると、新しく生まれる赤血球が減少するので、貧血になりやすくなります。
更年期障害と貧血の症状
- 倦怠感、疲れやすい
- 意欲が出ない、気分がふさぐ
- めまい
- 動悸
- むくみ
- 冷え
- 肩こり
ご覧のように、更年期障害と貧血の症状は似ています。
ホルモン補充療法をしているのに症状が改善しない場合は、隠れ貧血かもしれません。
貧血は、赤血球の減少や、赤血球に含まれる鉄分の不足によって起こります。
貧血になると、全身の臓器が酸素不足になります。
特に、脳は酸素不足に弱いので、意欲の低下や気分がふさぐなどの精神症状も起こるのです。
更年期障害による貧血の対策は?
更年期障害の貧血の対策としては、鉄分を補給したり、鉄分の吸収をよくする食事を摂るとよいでしょう。
市販薬やサプリメントで補う方法もありますが、鉄分の取り過ぎは健康障害を起こす可能性があるので、注意が必要です。
症状がひどい場合には、内科や婦人科を受診するとよいでしょう。
更年期障害の貧血の対策
更年期障害の貧血を予防する鉄分には、吸収しやすいヘム鉄と、ヘム鉄より吸収しにくい非ヘム鉄があります。
レバー、牛・豚モモ肉、カツオ、マグロ、アサリなどにはヘム鉄が多く含まれています。
ヒジキ、小松菜、ほうれん草、納豆などの大豆製品には、非ヘム鉄が多く含まれています。
タンパク質やビタミンCは、ヘム鉄や非ヘム鉄を吸収しやすくする作用があります。
ビタミンB12と葉酸は、赤血球を作るために欠かせません。
ビタミンB12は肉・魚・卵などの動物性たんぱく質に、葉酸は野菜に多く含まれます。
更年期障害の症状をひどくする要因に、貧血が隠れている場合があります。
更年期障害の貧血の対策としては、動物性タンパク質と野菜や海藻類などをバランスよく食べるとよいでしょう。