更年期障害は汗かきになりやすいって本当?
「暑くも無いのに突然に汗をかく」
そんな更年期障害による「汗かき」に悩まされるという方は、とても多いと思います。
更年期障害で見られる汗かきの症状は、「恥ずかしい」「体臭が気になる」などで悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか?
では、更年期障害では、なぜ急に汗かきになるのでしょうか?
また、それに対して、どのように対策をすればよいのでしょう?
今回は、更年期障害の「汗かき」についてお伝えします。
更年期障害による汗のかきの原因と症状
では、更年期障害による汗かきのご説明の前に、まずは「汗をかく」ことについてふれて見ましょう。
「汗をかきなさい」と指令するのは、脳の「視床下部」という部位です。
運動後などに体温が上昇すると、それを「視床下部」が感知します。
視床下部は交感神経を刺激して、皮膚にある「汗腺受容体」を刺激します。
その結果、皮膚に送られる血流が増えて汗をかき、体温を下げるという仕組みになっています。
更年期障害により女性ホルモンが減少すると、女性ホルモンの分泌を促すように視床下部が働きます。
ところが、いくら視床下部が働いても、女性ホルモンを分泌する卵巣の機能が低下しているために女性ホルモンは増えません。
「視床下部」は、「交感神経」と「副交感神経」という「自律神経」の働きをつかさどる部位でもあります。
視床下部が働きすぎることで「自律神経」が乱れて、「交感神経」と「副交感神経」が誤作動を起こすようになります。
誤作動を起こした交感神経が「汗腺受容体」を刺激するために、更年期障害の汗かきが起こります。
更年期障害の汗かきの症状は、頭・顔・首筋・胸など上半身で起こることがほとんどです。
これは、汗腺の多くが上半身に集中しているためです。
更年期障害の汗のかきかたは、5分程度の短時間でおさまりますが、1日に数回から20回と繰り返します。
更年期障害の汗のかきの対策と注意点
更年期障害の汗かきの対策は、意外にも「汗をかきやすくしておく」ということです。
普段から運動している人は、全身からバランスよく汗かくことが出来ます。
しかし、全身の「汗腺」がお休み状態の場合、比較的使われている汗腺からの発汗が多くなります。
頭・顔・ワキの下の汗腺は普段から使われているので、更年期障害の汗かきでもここからの発汗が多くなります。
更年期障害の汗かきの対策
普段から軽い運動や入浴により、全身で汗をかくようにしましょう。
吸湿性・通気性のよい下着や衣服にしましょう。
更年期障害で汗かきの多い人は、着替えを用意してもよいでしょう。
ジュースや甘いコーヒーなどを避けて、水やお茶で水分補給しましょう。
急な汗かきが起こった時は、濡れたタオルや保冷剤で首筋をひやすことも効果的です。
更年期障害では、急な汗かきに悩まされる人が多く見られます。
汗をかかないようにすることは、かえって更年期障害の汗かきの症状を強くしてしまう可能性があります。
全身の汗腺を鍛えて、更年期障害の突発的で部分的な汗かきを予防しましょう。