更年期障害で胃痛になりやすいのは、どうしてなの?
更年期障害になった方の中で、胃痛の症状を訴える方がいらっしゃいます。
「若い頃は、唐揚げやフライなどの揚げ物がたくさん食べられたのに…」
加齢により脂っこい食事が出来なくなったという方は、多いのではないでしょうか?
実は、胃痛や胃もたれも、更年期障害の症状の1つです。
今回は、更年期障害の胃痛についてお伝えします。
更年期障害による胃痛の原因は?
更年期障害は、卵巣の機能の低下に伴い、脳の視床下部やその支配を受ける「自律神経」の不調によって起こります。
「胃」は、自律神経の支配を受けやすい臓器で、ストレスなどに敏感に反応することは良く知られていますね。
慶応義塾大学医学部消化器内科のラットを用いた実験でも、胃粘膜の血流は自律神経の刺激を受けやすいという結果が報告されています。
自律神経とは、「戦闘に備える交感神経」と「休息をつかさどる副交感神経」の2つの神経の働きを指します。
交感神経が働いている時には、胃は収縮して食べ物を消化しにくくなります。
副交感神経が働いている時には、胃は活発に活動し胃液を分泌して食べ物を消化します。
更年期障害では、自律神経の働きが乱れて、胃に食べ物があるのに消化しにくいという状態が起こります。
また、食事と関係なく胃痛や胸やけなどの症状が出る場合もあります。
更年期障害の胃痛の対策と注意点
更年期障害で胃痛があっても、食べないという対策はNGです。
ポイントは、消化の良いものを少しづつ食べることでしょう。
更年期障害の胃痛の対策
「時間が無いから、仕事をしながらササッと食べる」という習慣は、あらためましょう。
食事の時はゆっくりと座る、食事の最初に温かいスープを飲むなどをすると、脳に「これから食事をしますよ」と働きかけることができます。
揚げ物や脂っこいものは少なくしても、肉や魚を減らしてはいけません。
肉類はシチューなどの煮込み料理に、魚は焼いたりムニエルにしたりと、調理方法を工夫すると更年期障害で胃痛や胃もたれがある場合でも食べやすいでしょう。
食物繊維は更年期障害で胃痛のある時には、消化が悪いと考える人もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、それは逆です。
野菜やイモ類・キノコ類・海藻類などに含まれる食物繊維は、腸の動きを活発にして消化を助けます。
更年期障害の胃痛や胃もたれは、自律神経の乱れによって起こりやすくなります。
食事時にはリラックスできる環境にしたり、スープから食事を始めるなどの対策をしましょう。
更年期障害で胃痛や胃もたれがあるからと、食事を控えるのは逆効果です。
揚げ物よりも煮物や焼き物にするなど、調理方法を工夫して肉や魚もしっかりと食べましょう。